英語はこれ以上目指すな!非ネイティブ日本人のプレゼン動画10選

学習教材の販売者や英会話学校は、日本人の英語学習者がより英語学習にお金を落としてもらうために、マーケティング戦略を練っています。そして、受講者がネイティブのレベルには到底届かないことを知りながらも、ネイティブアメリカンのように話せるようになるという幻想を見せているのではないでしょうか。

「ネイティブ英語を目指せ!」「さもなければ英語ができたと言えない」と、受講者の理想を徹底して刷り込むことで、現状の間にある「問題」を無理やり創り続けているのではないかと感じます。

しかし一体、帰国子女でもない純ドメスティックな僕たちは、英語を話すことについて、何をゴールにしていけばいいんでしょうか?

この記事では英語を話せるようなった状態を、動画を通じて理解し、日本人の英語学習者の方に明確なイメージを持ってもらうことを意識した書きました。

日本人が目指す英語を誰も定義してくれない

日本では英会話学校や英語教材がこれほどまでに市場に溢れる中で、具体的にどれくらい英語が話せるようになればいいのか、どんな発音であれば相手にわるのかという、ゴールの設定をしてくれるものが非常に少ないと感じます。

「自分は発音が下手だから通じない」

その思い込みによって余計に英語を話すことが心理的にしんどくなってしまい、話すことが億劫になっることで、結果的に上達しないという悪循環になっているケースをよく見かけますが、非常にもったいないと感じます。

目指すべきはネイティブではなく、影響力を持つ日本人が話す英語

僕も当初はネイティブのようになりたい、かっこよくアメリカ人風の英語を英語を話してみたいという憧れはありました

発音をアメリカ人っぽく強制させるために、何度も自分の発音を録音しては、アメリカ人ネイティブの発音と聴き比べました。どうしても完璧にネイティブの英語が、自分の口で再現できないことにフラストレーションを感じている期間が結構長くありました。

しかしある時、ふと気がつきました。

  • 一体、自分はどこに向かっているのだろう?
  • ネイティブっぽい発音ができることで、何が得られるんだろう?
と。

確かにネイティブっぽい発音ができることで、英語ができるというセルフイメージと、他人から「あの人は英語ができる人」と認識されることは多くなります。

しかし、僕が目指していた英語は、ビジネスシーンで相手と交渉をしたり、プレゼンテーションをしたり、あとは心から通じ合えるような友達を作ることだと気づきました。

であれば、自分が例え満足していない発音であったとしても、どのような発音や話し方であれば最低限相手にちゃんと伝わるのかということに意識が向くようになりました。

 
そう考えているうちに、
  • 日本人っぽい訛りのアクセントがあっても、相手に考えを伝えられれば問題なくないか?
  • なんなら日本人訛りのジャパニーズ英語でも作り出した方がよくないか?

と、ある意味英語の発音についてこだわりを持ちすぎていた自分から一歩引いて、ある意味吹っ切れました。

そして、それに気づいてからは、ネイティブの発音を目指すのではなく、「国際舞台で英語を話し、影響力を持っている日本人」を自分のロールモデルとして、英語を話す練習をすることにしました。

そうすると、ネイティブのようになりたいという変な幻想やプライドが消え、むしろ日本語の訛りを残しながらも、しっかりと相手に伝えようと話す自分の英語のスタイルに自信を持つことができました。

それでは日本人が目指すべき「国際舞台で英語を話し、影響力を持っている日本人」の英語とはどんなレベルなのでしょうか?

ここからは、僕が英語を学ぶ際にお手本にさせていただいた、日本人が英語でプレゼンテーションやインタビューを受ける動画を紹介していきます。

僕の興味関心によりITやスタートアップにやや偏っている感じはありますが、動画で紹介されているスピーカー達のレベルで英語が話せれば、日本人の英語力としてはもう十分であり、そこから先はもっと本業のスキルアップに集中した方がいいと感じています。

日本人の英語①:ソニー創業者 故盛田昭夫氏

日本の歴史上の偉人であり、共同創業者の井深大氏と共にソニーを日本発のグローバル企業に育てた盛田昭夫氏の英語でのインタビューです。

トランジスタラジオやウォークマンをを世界中でヒットさせ、世界的スターの故マイケル・ジャクソン氏とも親交が深く、世界中で尊敬を集めた日本の経営者です。

盛田氏の英語は比較的日本語訛りの強い英語ですが、自信に満ちた、非常に迫力のある話し方です。相手の質問を的確に捉え、一語一語を非常にはっきりと話されています。

しかも、途切れることなく、はっきりと相手の見て語りかけるように話すその話し方は、日本人のビジネスマンのロールモデルになると感じています。

日本人の英語②:ソフトバンク創業者 孫正義氏

現代の日本の代表的な実業家、ソフトバンク創業者の孫正義氏の英語のインタビューです。フォーブスの2016年版の世界長者番付では日本国内では2位となっており、日本の財界でも圧倒的な影響力を持っています。

孫氏は高校を中退して渡米し、アメリカの高校を卒業後、1977年にカリフォルニア大学バークレー校に入学しています。その際に、英語の基礎能力を身につけられたと考えられます。

孫氏の英語は、非常にシンプルかつ強いメッセージがあり、時折身振り手振を交えながらゆっくりと話します。話し方は決してネイティブを真似しようなんてことはせず、自分の言葉で、着実なコミュニケーションをしています。

日本人の英語③:花王代表取締役 澤田 道隆氏

花王の代表取締役、澤田 道隆氏の英語での挨拶です。澤田氏は大阪大学を卒業後、研究開発に31年間携わり、2000年代には売り上げが低迷していたオムツブランド「メリーズ」の事業改革を行い、大きな成果をあげました。その功績により、2012年には花王の代表取締役に就任しています。

澤田氏の英語はこの記事でご紹介する中では、最も日本人訛りが強い気がしていますが、単語一音一音が明瞭なため、無理やり早口でまくし立てるような話し方に比べると、多国籍の人に着実に伝わる話し方だと思います。

日本人の英語④:元マイクロソフトCEO樋口泰行氏

世界長者番付で1位のビルゲイツ氏が創業した世界的なIT企業、マイクロソフト。その日本拠点のCEOを2年間務めたのが、樋口泰行氏です。樋口氏のキャリアは大阪大学を卒業後、松下電器産業入社(現パナソニック)に入社。

ハーバード・ビジネス・スクールのMBAを取得後はコンサルティング会社の名門、ボストンコンサルティンググループに入社。その後も、スティーブ・ジョブズ率いるアップルコンピュータ入社し、ダイエーやヒューレットパッカードの代表を務めるという、まさに絵に描いたようなエリート街道を歩んでこられた方です。

動画ではIT産業のトレンドについて、英語でインタビューを受けています。英語の発音はやや日本人の訛りを残しつつも、落ち着いた雰囲気で、論理的かつ冷静にインタビューに対応されています。外資系企業のトップを数社務めた方ですが、決してネイティブのような話し方はせず、自分が話しやすいように英語を自分用にカスタマイズされている印象を受けます。

 

日本人の英語⑤:ディー・エヌ・エー創業者 南場智子氏

アジアで最も成功した女性起業家の一人、ディー・エヌ・エー取締役会長の南場智子氏の英語です。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパンに入社したのち、ハーバード・ビジネス・スクールに入学しMBAを取得というエリートキャリアを歩まれています。

1999年に株式会社ディー・エヌ・エー設立、代表取締役に就任しています。最近はキュレーションメディアの騒動で色々と大変なディー・エヌ・エーですが、南場氏の英語も大変参考になります。

動画ではディー・エヌ・エーの創業ストーリーを話されていますが、時折笑いを誘いながらも、会場全体を巻き込むカリスマ的なプレゼンテーションをされています。南場氏の英語もやや日本語訛りはありますが、英語の話し方に抑揚をつけ、時折話すスピードも変化させながら、感情にぐっと入り込んでくる話し方をされています。

日本人の英語⑥:脳科学者 茂木健一郎氏

脳科学者でおなじみの茂木健一郎氏の「サイエンス」についてのプレゼンテーションです。1987年に東京大学法学部を卒業後、1992年には理化学研究所の研究員に就任しています。現在は早稲田大学や慶應大学などで教鞭をとられています。

茂木氏の英語のプレゼンテーションは、これまでご紹介した英語のプレゼンテーションの中では最も早口かもしれません。とても情熱的で、それでいて論理的な茂木氏のプレゼンテーションは、やはり日本語訛りではありますが、効果的にスライドでビジュアルを使いながら、分かりやすく伝える手法に長けていると感じます。

日本人の英語⑦:ネットイヤーグループCEO石黒不二代

2008年に東証マザーズに上場した、ネットイヤーグループCEOの石黒氏のプレゼンテーションです。石黒氏は、名古屋大学経済学部卒業、日系、外資企業を経て、スタンフォード大学経営大学院でMBAを取得されており、1999年にネットイヤーグループのCEOに就任しています。

石黒氏のTEDでマーケティングについてのプレゼンテーションを行なっています。英語の発音は他の日本人と異なり、独特の重厚感のある話し方をされていると感じます。

日本人の英語⑧:LINE執行役員 田端信太郎氏

www.youtube.com

ソーシャル上でも非常に影響力がある、LINE執行役員の田端信太郎氏の英語です。動画は海外テックイベントでの英語でのピッチです。田端氏は1999年に慶応大学経済学部を卒業した後、NTTデータに入社。その後、リクルートやライブドア、外資系出版企業を経てLINEに入社されています。

ビジネスマンとしては、まずは田端氏のレベルを目指すべきだだと感じます。発音は日本語訛りが比較的強いですが、基礎的な文法を使って話されています。

注目すべきは田端氏の英語勉強の方法ですね。こちらのnoteでは留学経験なしの田端氏がどのように英語を習得したのかが書かれています。ネタバレしない程度に紹介をすると、テキストの音読やシャドーイングを地道に何度も行い、英会話学校に通われていたようです。

日本人の英語⑨:元ミクシィ代表取締役 朝倉祐介氏

ミクシィ代表取締役、現ラクスル株式会社社外取締役の朝倉氏のスタンフォード大学での講義動画です。

朝倉氏15歳でオーストラリアの騎手養成学校に進んだ後、身長の伸びすぎにより騎手になることを断念して帰国。その後の怪我の影響で騎手としてのキャリアを諦め東大に進学。学生時代にネイキッドテクノロジーを起業し、卒業後はマッキンゼーに入社。

在学中に起業したネイキッドテクノジーをミクシィに売却した後に、ミクシィの代表取締役に就任するという異色の経歴のの持ち主です。

朝倉氏の英語も日本語訛りはありますが、話すスピードや、時折ジョークを交えた、聴衆にとって聴きやすいプレゼンテーションをされています。1時間もの長時間の講義を英語でできるスキルは個人的に非常に憧れます。

日本人の英語⑩:Wantedly仲 暁子氏

最後にご紹介するのが、女性のテックスタートアップ起業家、Wantedly仲暁子氏です。ヘルシンキで開催されたslush asiaという、テックスタートアップが集まるイベントで20分間のプレゼンテーションを行なっています。

仲氏は京都大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。その後まだ立ち上がったばかりのFacebook Japanに入社。2010年にウォンテッドリー株式会社を創業されています。

仲氏の英語は今回ご紹介したプレゼンテーターの中では一番ネイティブの発音に近いかもしれません。非ネイティブの日本人としては、このレベルまでに行くのが正直限界ではないかと思っています。

このプレゼンテーションでは、創業ストーリーから、今後の新しい取り組み、そして会社のミッションまでを話されています。聴衆に行動を起こさせるレベルのプレゼンテーションとなっており、本当今後もお手本とさせていただきたいですね。

日本人の英語まとめ

これまでいくつか日本人の英語を紹介させていただきましたが、日本人で伝わる英語を話されている方に共通していることをあげてみました。

話す内容が魅力的

大前提として、聴衆に影響を与えるためにはコンテンツ自体が魅力的でなければなりません。それは人間的魅力とも言えますが、これまでご紹介して来た方は、個人の実力が非常に高い方が多いので、思わず聞き入ってしまいます。

自分のペースで話す

話すスピードは人によって多少異なりますが、自分のペースをしっかり持っていると感じます。いずれも英単語が例え出てこなかったとしても、マイペースを貫き、落ち着いて話されている方が多い印象を受けます。

文法は中学レベル

話す英語の内容は多少業界特有の専門用語は混じるものの、基本的には中学で習う文法レベルの組み合わせでスピーチが成り立っています。外資系企業の代表クラスでも、決して難しい英語は使ってないんですよね。

やはり、これまでネイティブの英語を自分の目標やロールモデルとしてこられた方は、まずは日本人でしっかりと話せる方を真似してみることが、英語の近道ではないでしょうか?

そして、英語は最速最短で学び、あとはもっと本業のスキル向上に時間を使うのがいいと考えています。

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